カブクワ【飼育用品】

虫が落ち着いて生活できる環境を作ってやれば、長生きさせられるかもしれません。
ここからは飼育に必要なものをみていきます。
昆虫の種類により好むマットも違います。
商品によって消臭・防虫機能があるもの、発酵が浅いものやより土に近い高発酵のものなど
様々なので、用途に合わせてマットを選びましょう。
成虫管理用マット
昆虫が潜って隠れる場所になったり、水分を含ませてケース内を保湿する役割があります。
これは幼虫の飼育や産卵床には適しません

<水苔マット>

水分の吸収がよいので、マットの様に時間が経ってもベチャベチャになりにくいです。

<針葉樹マット>

産卵を目的としない場合に使用します。
スギやヒノキを原料としており、ダニやコバエの発生を
抑えることができ、比較的安価です。

<ヤシガラチップ>

ケース内で発生するニオイを強力脱臭します。吸湿・放湿や通気性に優れています。
使用前に軽く湿る程度に加水します。

<ヒノキチップ>


<ペレット>

余分な水分を吸収し、消臭効果もあります。
カワラ菌糸ビンを使用し、産卵セットを組む際に使用することもあります。
幼虫管理用マット
【カブトの場合】
孵化した幼虫はマットを食べて成長します。
二次発酵マットや完熟マットは発酵が進んでおり、栄養価が高いです。
栄養価の高いマットの方か幼虫が大きくなります。
幼虫が成長しやすいようマットに添加物を入れることもあります。
発酵マットは細かい粒子のものを選び、前もって水を加えたり、ガス抜きをしておきます。
マットをケースに入れ、底から７割ほどは固詰めにし、表面はふんわり敷きます。



【クワガタの場合】
卵に木を産む種とマットに産む種、どちらにも産む種がいるので、
使う発酵マットが異なってきます。
木に産卵する種に使用するマットは安価なもので大丈夫です。
転倒防止や昆虫の隠れ家になる。
バークチップは昆虫の大きさに合わせて使用する。

市販されているケースであれば基本的に大丈夫ですが、できればコバエ対策がされた
ケースの方がオススメです。
コバエシャッターは専用のフィルターによってコバエの侵入をストップはもちろん、保湿効果抜群の飼育ケースになります。
臭いの拡散も防止できます
ヘラクレスやコーカサスなど大型種を飼育する場合は、最低でも20㎝×30㎝ぐらいのものを
選んで下さい。
中・大型ケースは何匹かまとめて飼育ができ、薄型容器は幼虫の活動が観察でき人気です。
幼虫を育てる時や、メスが産卵しやすいケースとして使えるものもあります。
大きさ以外には逃げ出さないようにフタのしっかりしたものを選びます。
大型種のオスの角で簡単に開く場合があるので、特に外来種の虫たちには
保護の意味からもくれぐれも気をつけて下さい。

小スペースでも飼育可能になります。
小型種のみで大型飼育には向いていません。

成虫用のエサ。
昆虫専用のゼリーで栄養価、水分、サイズなど多様化しています。
それぞれ柔らかさが違うが、夏場は特に水っぽくなりやすいので、硬めがよいです。
昆虫の大きさにより食べやすいサイズを選んで下さい。
産卵前のメスには高タンパクゼリーを与えます。

エサがマットについてしまうと不衛生になりやすいので、エサ台にゼリーをのせると
成虫がエサを倒すこともなく安心です。
昆虫の大きさにあったものを選びます。
脚の符節が昆虫ゼリーのふちで切れるのを予防する役目もあります。
自然界では枝や葉にしがみついて過ごしています。
落ち着させるたまにも木の枝や朽ち木をマットの上に置きます。
成虫はひっくり返るとなかなか起き上がれません。
何かつかまれるものを容器内にいれます。
成虫を多頭飼育する場合は隠れ場所があるといいです。

クヌギやコナラの朽木。
クワガタムシのメスが産卵する時に必要。
木の中心部の硬い芯には卵を産まないので芯が少ないものを、
またクワガタには産む材の好みがあるので種により硬さを慎重に選んで下さい。
良質素材とうたわれている商品でも個体によって全く産まないこともあります。
使用前にしばらく水に浸してから陰干ししてから使用します。
大きいクワガタムシを目指す場合には、初～２令の幼虫を菌糸ビンに入れます。
マット飼育よりも幼虫が早く大きく成長します。
菌糸ビンは広葉樹（多くはクヌギやコナラ）の木材を粉砕したオガクズにキノコの菌を
植菌したものです。
使用されるのはヒラタケやカワラタケなどの菌が多く、特にカワラは独特の臭いがします。
菌糸は生きているため、すぐに使用する分だけ購入します。
冷蔵庫に入れておくと長持ちします。
キノコが生えてきていたら菌糸の中の栄養分も失われるのですぐに取り除いて下さい。
※様々な理由により、時間をおき使用することで菌の発育を遅らせる場合があります。
詰めてから菌がまわるまで幼虫を入れることができないので、すぐに使用したい場合や、
幼虫が少数の場合はすでに詰めてある菌糸ビンを購入するとよいでしょう。
ブロック状に固めたものが菌糸ブロックで、自分で砕いてビンに詰めます。
こちらの方がコスト的には安くすみます。
時間と手間がかかりますが、たくさん幼虫がいる方、添加剤を混ぜて自分好みの菌糸ビンに
したい方は菌糸ブロックを購入するのがおすすめです。
詰め具合によりますが、１つのブロックで800㏄ボトル4個分くらいになります。
オスはメスより大きめのビンに入れます。
このまま蛹室をつくり、サナギ～成虫へ成長していく可能性があるためです。
クリアタイプのボトルは透明度が高いので飼育中の幼虫がはっきり見えて容易に観察ができ
お勧めです。


ここからはあると便利なグッズを紹介します。無くても飼育はできます
コバエの発生は必ずといっていいほど起こります。
取り付けることにより、通気性が悪くなってカビが生えやすくなるので気をつけて下さい。
コバエ・乾燥防止なら新聞紙で代用もできます。
カブトムシ・クワガタムシ飼育の上で気になるのが衛生面です。
様々な対策商品がありますので、特にコバエ、ダニなどが発生しやすい夏場は用意しておくとよいでしょう。
マットをガチガチに詰めておかないと産まない種類がいます。
産卵セットのマットを固く詰めるときに手が汚れず便利。
マット、菌糸ビン交換時に使います。
幼虫をすくう時に使用（直接手で触ることで幼虫に雑菌がつかないようにするため）
人の手の温度は幼虫にとってかなり熱いのでストレスにもなるようです。

マットの水分調整に使用します。

成虫のエサ交換に使用したり、クワガタが産卵した木から卵を取り出すときに使用します。

種類やオスメス、容器投入日などを飼育ケースやビンに貼って記録しておくためのシール。

アゴが大きいクワガタに食べやすいようゼリーを半分に切ることができます。

使用用途は３種類
・マット交換（マットと虫のフンを分ける)時
　かなり便利です。
　フンが通らないくらいの荒さのふるいを選びます。
・菌糸ブロックを細かくする時
　荒い部分があると上手く菌が回らないことがあります。
　雑菌が混入しないよう、使用前には洗って消毒して下さい。
・ペアリングさせる時
マット交換の時、幼虫を触るのに手袋を使用します。
　 菌糸ブロックを潰してビンに詰める時も使用します。
菌糸ビンの中に雑菌が入らないようにする為です。